リンク集を作ったことがあれば誰でも経験あることだが、ウェブサイトの分類はかなり難しい。
リンクするサイトがある程度の数になれば、本能的に分類したくなるものだし、そうすることでアクセスも容易になるし、サイト制作者の立場からすると、何となく頁のおさまりがよくなるというのも、分類を試みる動機の一つだ。
世の中には数多くのリンク集というものが存在してるのだが、アタキはいまだに「これはスッキリした分類だ」なんてーのに、お目にかかったことはない。自分でやった、この頁にしたって、全然、納得していない(笑)。
実際に、ある検索ディレクトリの中の「ギャンブル」というカテゴリー内に、健康麻将(麻雀を賭博とはとらえていない)のページがあったりしている。これはどう考えてもおかしい。
世の中の数多くのウェブサイトの中のある部分に、麻雀サイトを位置付けることも困難なことではあるが、ここで問題にするのは、あくまで麻雀サイトそのものの分類である。にしても、実はかなり難しいのだ。
いろいろと考えてみよう。
例えば、AとBという二つのカテゴリーがあったとして、あるウェブサイトをどちらのカテゴリー内に含めるべきなのか悩ましいのは、次の四つの場合のいずれかに遭遇した時だ。
・AとBの両方を含んだ性質を持っている。
・AとBのちょうど中間的な性質を持っている。
・AとBでは包括できない性質を持っている。
・A分類とB分類が並列的な階層にない。
AとBという二つの分類でなく、これがさらに多数の分類であっても同様の問題は発生する。分類という行為そのものは、かなり高度な知性を要求されることではあるけど、これはカテゴリー定義の問題であると言える。
カテゴリーを定義するためには拠って立つスタンスを明確にしておかなくちゃいけない。
どの視点で定義するか、ということだ。更新日付けで分類するとか、コンテンツの内容で分類するとか、対象としているアクセス者のレベルで分類するとか、だ。
例えば、「初心者用」なんてカテゴリーと「日記・コラム系」なんてカテゴリーは共存できない。なぜなら、初心者をターゲットにしたコラムを中心にしているサイトはどっちに含めてよいのかわからない。これでは、とりもなおさずアクセスする方だって困ってしまう。
ということで、カテゴリー定義の視点を明確にした麻雀専門(に限らんでもイイが)の分類の方法とは次のようなものが考えられる。
・A:想定している閲覧者による分類
・B:制作者、サイト管理者による分類
・C:コンテンツの形式による分類
・D:コンテンツの内容による分類
・E:その他
それぞれを具体的に検討してみよう。
A:想定している閲覧者による分類
一番多いのは、[カタギの衆向け/初心者向け/中級者向け/...]みたいな分類だ。初心者とそうでない人々との境界なんて明確ではないし、中には「初心者から上級者まで」を対象にしたサイトも存在するので、分類作業にはチト骨が折れそうだ。
アタキ的には[素人向け/マニア向け/プロ向け]みたいなのがあると面白かろうと思うし、あってもよさそうなのにないのが[ネット麻雀打ち用/フリー雀荘に出入りする麻雀打ち用/その他用]のような分類だ。
B:制作者、サイト管理者による分類
代表的なのは[個人/麻雀荘/サークル・団体/用具メーカー等]であり、これを世界で最初にやったのは sammaniax だ。
個人の部分を[アマチュア/プロ]に分けてもイイし、[雑誌社・新聞社・テレビ局等]を付け加えれば、ほぼ完全な分類ができそうだ。
注意しなくちゃいけないのは、用具の紹介をしているからといって「用具メーカー」というカテゴリー内に含めてはいけないという点だ。これはあくまで「制作者、サイト管理者による分類」であって、コンテンツ内容とは無関係でなければいけない。
そうしないと、サークル紹介もやってて、雀荘の宣伝も掲載してある、プロ団体所属の個人が作るサイトなんてのに頭を抱えることになる。こんなのはあくまで[個人(もしくはプロ)]に入れるべきである。
同じく、「制作者による分類」として、[男/女](性別による分類)や、[日本人/中国.台湾人/その他アジア人/欧米人](国籍による分類)や、さらには雀歴による分類、年齢による分類なども考えられるが、リンクする側にそれらの制作者サイドの情報がオープンにされていることは少ないので、現実的には難しいだろう。それに、そんな分類してくれたって、アクセスする側にはあまり有り難くはないような気もする。
C:コンテンツの形式による分類
これは、各サイトの体裁による分類のことだ。
具体的には、[HTMLだけ/iモード対応/EZWeb対応/他のテク有り]などのウェブ技術の対応の有無による方法と、[掲示板有り/無し]や、さらには、ムービーやサウンドや Javaアプレットやフラッシュムービーなどがあるとか、特別なプラグインが無ければ参照できないだとかの違いによる分類である。
この分類方法にはいくつかの欠点があるが、説明がメンドウなので省略する。次の分類が大事だもんね。
D:コンテンツの内容による分類
さて、ようやくサワリである(おさわり、じゃなくって一番の急所、という意味)。
ほとんどのリンク集が内容によって分類しているつもりで大失敗をしている。かくいうアタキがまとめた、この頁だって例外ではない。
麻雀サイトが扱っている内容は、かなり多岐には渡るけど思い付くまま列挙してみよう。
[ニュース/日記/コラム・エッセイ/クイズ/麻雀ゲーム/ゲーム以外のソフトウェア/各種規則・ローカルルール/マナー/用語集/戦術論/講座・教室/数理的考察/大会の案内/大会の成績・闘牌記録/雀荘紹介/書籍データベース/ウェブ用素材・独自牌画/ギャグ・お笑い/歴史・豆知識/創作小説/団体・サークルの紹介/用具の紹介・販売]
他にも[パズル/占い・診断/漫画・小説・番組の感想/文章以外の創作物(絵画、楽曲等)]などもこれから数多く登場するかもしれない。
これらのカテゴリーは、一つのサイト全体を特徴づけるものでなく、そのサイトが複数持っている性質のそれぞれに過ぎないのは当然のことである。だから、これらの分類を摘要する場合には、ラジオボタン的でなく、チェックボックス的な形にならざるを得ない(ラジオボタンとチェックボックスの違いはわかるよね)。
実現策としては、
・あるサイトが、いくつものカテゴリー選択からたどり着ける。
・サイトは一覧されて、その要素として性質が列挙してある。
・検索式などによってサイト説明が参照できる。
などの方法があろう。
個人的には、最初の「一つのサイトがいろんな分類に含まれている」形式がもっとも使い易いと信じている。例えば、 Yahoo! に麻雀というディレクトリがあるけど、これは「ゲーム」にも入っているし、「ギャンブル」にも入っており、どちらからも麻雀にたどり着けて、なかなか良い。
この雀のお宿にしても、「用語集にリキが入っている」と思っている人もいれば、「ルールやマナーに小ウルサイサイトだ」と思っている人もいるだろう。管理人であるアタキは「独自の牌の絵柄が自信作だ」と思っているにも関わらず、だ(勿論、大嘘)。
だけど、サイトの名前やアドレスが変わったりした時のメンテナンスは大変かもしれない。
「サイトが一覧されてて、分類としてでなく、各サイトの要素として」という方式は実際にいくつかある。雀のお宿の説明の後に、「コラム/ルール/用語集」なんて感じで添え書きがしてある。
大きなテーブルを作って、チェックマークのような形もイイと思うが、あんまり列が長くなりすぎてマズイかな。
テーブル形式ならばメンテナンスもラクのような気もする。
E:その他
あまり現実的とは言えないけれども、他の形式での分類もある。
製作開始日付けによる分類(というかソート)、更新日付けによる分類(ロボット型ならアリだ)、他サイトからの参照頻度による分類、使用言語による分類([日本語/中国語/英語])、など。
別に何の結論もないけど、まぁ、こんな風にいろいろと考えているんだよ、というわけだ。
実は、制作者の頭を悩ませていることは他にもあって、
・相互リンクを断る方法
・リンクサイトの内容変更による対応
・リンクサイトの消滅、移動による対応
などは、かなりヘビイでシビアな問題だ。
たぶん、多くのサイト管理者は適当にうまく対処しているのだろうとは想像しているけど…。