【1998.12.10】やま:匿名
常時八~十軒のクラブに顔を出し続けているのだが、中には二か月くらい足が遠退いている店もある。
「久しぶりぃ、サンの立とうごたあばってん来んね?
(訳:久しぶりにサンマ卓が立ちそうなんだけど遊びに来てくれませんか?)」
珍しく携帯で呼び出されたのは、チョット危ない客ばかりが集まり過ぎてサンマが立たなくなった繁華街の店のマスターからだった。「サン」とはサンマのことだ。
二飜縛りのナシナシサンマ。東の二局、アタキが抜け番の時の下家(親)の手牌。
(ドラ)
なんと下家さんは、ここから打。
何、考えてんだー。なんて抱えてると西家にアブナイぞー。
こんな人がいるからアタキはおいしい思いを味わえるのだ。
四順後に、を捨てて、
何で、リーチしないんだー!
この手じゃ(二飜縛りなんで)アガレねーぞー!
アンタ二巡目に切ってんだから絶対タンピンにはならねーぞー!
を持ってきて、三面張になったって、待ち牌の数は同じだぞー!
案の定、スグにを持ってきて、後はもうぐちゃぐちゃになって、挙げ句の果てはノーテンで親流れとなった。
「あそこは即リーだったですかねぇ」終わって下家さんがアタキに聞いた。
アッタリメーダーなんて言えるわけがない。そうですねぇとやさしく応えたが、その後の理由にも驚いた。
「索子にくっついて平和になればイイと思ったんですけどねぇ」おいおい、平和にするためにはドラを外さなイカンだろうが。
…そんな事ぁ口には出せねえよ。