麻雀打ちの頁/雀のお宿

マージャン遊戯に使用する道具の一つである麻雀牌に関する発明の特許出願。故意でない「見せ牌行為」を防止するための機構を持った牌について。

公開

見せ牌防止牌

見せ牌防止牌

特許出願

広告

願書

【書類名】
特許願
【整理番号】
MAHJONG012
【提出日】
平成13年6月1日
【あて先】
特許庁長官 殿
【発明者】
百貫雀
【特許出願人】
百貫雀
【提出物件の目録】
要約書 1
明細書 1
図面  1

要約書

【書類名】
要約書
【要約】【課題】
麻雀をしていると、牌が倒れて「見せ牌」になってしまうことがある。 故意か故意でないかに関わらず、和了放棄などの罰則の対象となることが多い。
テツマンなどで長時間、囲んでいると、ついつい倒してしまうことがよくあり、これは避けようのない事態である。
せっかくのメンチンをテンパっている時などに、牌をつい倒してしまい、「見せ牌」になってしまって、その近辺の牌ではロンできないなんてーのは、あまりに悲しい。
【解決手段】
倒れてしまっても、他の三人にその牌が何なのか見えなければ「見せ牌」とはならないはずである。
牌に、彫りと機構に特別な処置を施すことによって、倒れても第三者にはその牌が何であるのかを隠ぺいすることによって、この課題を解決する。
【選択図】
なし

明細書

【書類名】
明細書
【発明の名称】
見せ牌防止牌
【特許請求の範囲】【請求項1】
倒れても、その牌が何であるのかを視覚的に判断できなくすることによって、「見せ牌」を防止するための手法。
【請求項2】
請求項1を満たすために、牌に施した内部の機構。
【請求項3】
請求項1を満たすために、牌に施した特殊な彫りに関する手法。
【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】
本発明は、麻雀に使用する用具の一つである、麻雀牌の構造に関するものである。
【従来の技術】
麻雀牌は一般にほぼ直方体をしており、その一面にのみその牌が何であるかの模様が記されている。
壁牌状態の時、手牌の時、河もしくは副露の時の三様によって直方体の置き方をそれぞれ規定することにより、模様が施された面(表面)を全員に見えなくする、ひとりにだけ見えるようにする、全員に見えるようにする等が選択できる。
ところが、ひとりにだけ見える状態である手牌中にある時、ちょっとした振動や不意の行為によってそれが倒れ、本来ひとりにだけしか見えてはいけない表面が複数の目にさらされてしまう事態が発生することがある。
これは、薄い彫りと彫りの溝に流し込まれたインクによってのみ模様が施されているからである。
【発明が解決しようとする課題】
倒れてもすぐには、それが何の牌であるのかを判断できなくすることによって、故意でない「見せ牌」を防止する。
また、上家や下家に横から手牌を覗かれても模様が判らないようにする。
【課題を解決するための手段】
牌を図1に示すように三層構造とする。
それぞれの層を表層直方体、中間層直方体、背面直方体と呼ぶ。
表層直方体の内部には、二種類の液体を注入する。 液体1は軽く可視性のあるもので、表層直方体の内部体積の数パーセントとし、残りの大部分は液体2で、それは液体1よりも比重が若干大きく、透過性のある液体とする。
また、液体1と液体2との分離性は高くそれぞれが混じり合うことはないが、比重の差は極めて小さいものとする。
中間層直方体は全体を硬質の物質とし、表面から背面まで、牌の絵柄の彫りを貫通させたものとする。 中間層直方体だけを見れば、ドーナツのように向こう側が覗ける。
背面直方体そのものには特別な構造を設けないが、その表面(=中間層直方体と接する面)にのみ、反射性のある塗料あるいは可視性の高い材質を使用するなどとする。
【実施例】
手牌として立てている状態の時(図2)は、液体1は上部に集まり、牌の模様にあたる部分は透過性のある液体2が占め、その部分は中間層直方体のくり抜いた穴を通じて、背面直方体の反射性塗料によって、それが何の牌であるのかが判る。 これが判るのは、ほぼ正面から牌を見ている場合だけであって、横方向や上方向から見た場合には、視線の角度によって、中間層直方体の奥までは見通せない。
河や副露時に牌を表向けている状態の時(図3)は、可視性のある液体1が上部に一様に拡がり、どの位置からでもその牌が何であるのかが判る。 ただし、液体1が直方体の上部の全体に均等に散らばるためには、若干の時間を要する(これは、液体1と液体2の比重の差が小さいためである)ので、不意に牌が手牌から転げ落ちた時などには、牌の上部にはまだ液体2が多くあるために、真上から見ないかぎりその牌が何であるのかが判ることはない。
一秒か二秒程度の余裕があるので、それまでにあわてずに転げた牌を本に戻すことで、「見せ牌」となることはない。
【発明の効果】
本発明は、麻雀の本質とは無関係の「見せ牌」という事態を防ぐことによって、麻雀をより楽しむための一助となるものである。
また、牌という用具の構造を従来よりは複雑にするものではあるが、それを使用する側は今までと同じように扱える。 特別に新しい規制を加えるものでもない。
横側から覗く、あるいは、つい見えてしまうといった局面にも対処しており、まったくもって素晴らしい発明であることは言うまでもない。

図面

図1

添付図1 一つの牌はこのように、三つの直方体が合成されて作られている。
表層直方体には、異なる比重の液体二つが入っており、中間層直方体は模様の部分がくり抜かれており、背面直方体の一面(中間層直方体と接する面)には反射性塗料が施されている。

図2

添付図2 液体1は牌の模様とは関係のない上部にたまっている。
そのため、透過性のある液体2が、牌の模様の部分を占有しており、正面からの視線は表層直方体と中間層直方体の内部の空間を通じて、背面直方体の面にぶつかる。
よって、手牌中にあって、牌が立てられている時には、表層直方体の正面から見た場合にだけ、その牌が何であるのかが判る。
斜め横や斜め上から、立てられている牌を見ても、中間層直方体の穴の奥までは視線が届かないので、背面直方体の面を目にすることはない。

図3

添付図3 表が上向きの時には、可視性のある液体1が表面の全体を覆う。
表層直方体の牌の模様の部分から液体1が見え、それによって牌が何であるのかが判る。
しかし、図2状態から図3状態になるには、液体1と液体2の比重の関係で若干の時間を要するため、意図せずに倒れた場合には、この状態になる前に(=液体1が牌の上部全体に拡散する前に)元の位置に戻せばよい。

あのなぁ、牌を河に置いても、それが何の牌であるのか判るまでに、毎回毎回一秒も二秒もかかったんでは、やっとられんだろうかぁ!
…ボ、ボツかな、やっぱ。

ピックアップ頁