麻雀打ちの頁/雀のお宿

麻雀の魅力を広く世間に伝えることを生業とするための国家資格「公認麻雀士」。その意義と目的、資格のあり方について考えてみる。

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公認麻雀士の資格

このネーミングは我ながら気に入ってます

雑誌「月刊プロ麻雀」における、来賀友志の『こんなことって、あり!?』の連載中止事件では、いろんなことを考えた。
今回の放言は、そのいろいろ考えたことの一つだ。

ちゃんとまとめて[雑録]に収めるか、おちゃらけるかSF仕立てにして[創語]に入れるか悩んだけれど(って、書いてる今も悩んでるけど...)、とりあえずコラム風味のここだ。

「プロ」なんて言うから話がメンドーになる。
 だけど「麻雀打ち」ではうさん臭いし、「雀士」では安っぽい。
 アタキは勝手に「麻雀士」と呼ぶことにした。
 麻雀士。
 少し堅苦しい感じだけど、それが逆に信頼感をかもし出してもいそうで、よし、これからは麻雀を生業としている人々を麻雀士と呼ぶようにしよう。そう、弁護士や税理士みたいに、麻雀士だ。
 …なぁ~んて、呼び方だけを気にしていても仕方ない。
 弁護士や税理士のように、ちゃんとした資格が、麻雀士にも必要なのだ。

 残念なことに、麻雀士という資格を法務省や経済産業省で直接、認定するなんてことは考えにくい。
 まずは、「日本麻雀士協会(JMC)」という団体を発足させて、ゆくゆくはその活動を文部科学省に認めさせ、将来的にはJMCを特定非営利活動法人にしていくのが素敵だと思う。
 JMCの活動の基本は、あくまで「麻雀士という資格の認定」だ。
 麻雀士になりたい人は、JMCからその資格の認定を受けて、世間的一般的に麻雀士として認められる。麻雀打ちだとか、雀士ではなく、ちゃんとした麻雀士として認められる。
 麻雀士がちゃんとしているのには理由がある。
 それを資格認定する団体、JMCがそもそもちゃんとしているからだ。

 JMCが「麻雀普及協会」でもなく「戦術研究協会」でもなく、ただの「麻雀士資格認定協会」であることは留意すべきことだ。
 JMCは、世間一般に広く麻雀の面白さや素晴らしさを広報する団体ではないのである。そんな目的を持った団体、組織は既に数多くあるし、これからだってたくさん誕生してもかまわない。
 そのような既存の団体、組織、サークル、連盟、協会などと、JMCの活動が重複することはないのだ。だから、共存もできるし、場合によっては協力的な活動もマルだろう。
 JMCは、麻雀士という資格の在り方を考え、麻雀士という資格制度およびその資格を有する麻雀士の存在意義を明確にし、麻雀士資格を認定することだけを目的とするのである。極論すれば、麻雀の普及という活動は個々の麻雀士にゆだねてしまい、その麻雀士が既存の組織を使って勝手に普及なり広報なりすればよい。
 つまりは、そんな活動のできる人こそ、麻雀士であり、麻雀士資格を有することでそのような活動ができやすくなるための土壌を作っていくのがJMCなのである。

 なぜ、JMCにおいて、麻雀の普及活動を行わないのか、という疑問はあろう。
 実際の所、JMCでやれることも多いし、直接JMCがやることでうまくできることもたくさんあるに違いない。
 ところが、麻雀士という資格は、これから作られるものであるし、まだ世間的にも通用はしていないので、現段階でそのような従来の団体、組織でもやれることを掲げてみても、また新しい組織が設立されただけの認識がされる可能性もあるし、協力も仰ぎたい既存の組織の活動との軋轢が生まれるかもしれない。そんなことは避けるべきなのだ。
 さらに言えば、麻雀士資格の認定なんていっても、それはどのようにされるべきか、そもそも麻雀士とは何であるのか、認定の方法はどのような形で実施するのかなどを時間をかけ、多くの議論を重ねる必要があるし(また、そうでなければ、ちゃんとした麻雀士資格は形成できない)、そうした活動だけで、JMCは手いっぱいなのである。

 ここで簡単に麻雀士とはそもそも何であるのかについて軽く触れておこうと思う。詳細は後で述べるが、話がよく見えない人と、まだ考えがまとまっていないアタキ自身のためだ(笑)。
 麻雀士とは、である。
 ・麻雀を打つ人。
 ・麻雀について考える人。
 ・一般的な麻雀愛好者よりも明らかに優れた成績を残せる人。
 ・麻雀の楽しさや面白さや重要さ等を他人に伝えることができる人。
 ・(上の文の)それらとは逆のことを他人に伝えることができる人。
 ・麻雀の遊び方を初心者に教えることができる人。
 ・麻雀上達のための技術を他人に指導することができる人。
 ・麻雀を楽しむ場を提供できる人。
 ・戦術や戦略や心構えについて一家言持っている人。
 ・歴史や他文化との比較等、学術的な研究をする人。
 ・その他、いろんなことに詳しい人。
 ・マスメディアや書籍を通じて、麻雀を広く伝播できる人。
 うん、他にもまだあるかも知れないが、だいたいこんな感じである。
 各項目のすべてを満たす必要はないが、上に掲げた項目のいくつかについて他者よりも明らかに秀でた人が、麻雀士である。
 だから、ある麻雀士の職業が雀荘のオーナーであってもよいし、作家や漫画家でもかまわないし、麻雀とはまったく関係のない職業に就いていたとしてもいい。例えば、あるプロ団体のリーグ選手でも連盟顧問でも、麻雀士の資格を有することになるかもしれないし、あるいはそうでないかもしれない。だが、もしも別の団体等を組織することによって、多くの麻雀愛好家を育てることができる人は、優秀な麻雀士である可能性は高い。
 麻雀士資格を有する人が講師を務める「初心者のための麻雀教室」は、資格を有しない人が開く教室よりも、効果的でなければならず、そう努力したことによりその講師は麻雀士資格を受けたのかもしれない。
 ネット対戦のゲームの開発と販売という作業を通じて、麻雀界に多大な貢献をした場合にも、麻雀士資格認定の材料にはなるべきだし、新しい麻雀理論を構築したり、人気の高い麻雀漫画を描いたり、長年に渡って老人ホームで麻雀教室を開いたり、新しい機能を持った自動卓を開発したり、麻雀のルーツを求めて大陸に研究旅行に行ったり、全国のフリー雀荘における客層を調査したり、つまりは麻雀に関するあらゆる行動が、麻雀士の行動であり、また麻雀士資格を持つことでそのような行動が容易に実現できる環境になれば素敵だろうと思う。
 これから定義される麻雀士とは、麻雀について強いだけでなく、麻雀の素晴らしさを他人に伝える技術を持った人でなければならないわけだ。

 誰でも麻雀士になれるのか。
 そんな馬鹿なことはない。麻雀士資格取得の申請に関する制限は、成人であること以外にはないが、実際に資格を取得するためには、大きなハードルがあり、試験等を通じてそれを突破したスーパーマンだけが麻雀士として認定されることになる。
 それはとてつもないほどの難関であって、逆にそうした難関を克服しなければならない麻雀士資格だからこそ、稀少価値もあり信頼もおけて、そしてその結果として麻雀に関するさまざまな活動ができやすい世界にしようというのが狙いでもある。
 誰もが簡単に取得できる資格では、ありがたみもないし、わざわざ麻雀士なんて新しい資格を作る必要なんてない。
 アタキが考えるに、麻雀人口一千万人に対し約20人から50人程度が正規の麻雀士であればいいのではないだろうか。現在の日本における麻雀文化の認知度からすると20人でも多いかもしれない。
 例えば、20人から30人程度の麻雀士がいたとすれば、その内訳は(何の根拠もない勝手な想像だ)、
 ・現役ツアー選手・・・・・・8~12人
 ・学者、研究者等・・・・・・4~6人
 ・雀荘勤務者、経営者・・・・3~4人
 ・他団体、組織の中心者・・・2~3人
 ・作家、漫画家等・・・・・・1~2人
 ・用具/ソフトメーカー勤務・1~2人
 ・その他・・・・・・・・・・2~3人
な感じだとバランスが良いように思う。
 もちろん、現役ツアー選手が研究活動を行うこともあるし、ある作家が雀荘経営者であってもいい。
 とりあえず「現役ツアー選手」と呼んではいるが、この中に含まれない(つまりは麻雀士ではない)ツアー選手が世の中にたくさんいるのは当然のことで、それがどんな団体であれ((いわゆる)プロでもアマでも関係ない)、世間的にはツアー選手と呼んだ方が通りがいい人々のことで、彼ら麻雀士の成績が、麻雀士でない選手の成績を必ずしも上回っている必要はない。
 同様に、既存の団体に所属せずに、各種の麻雀大会にも出場しない麻雀士がいたっていいのだ。
 その他というのは、主婦だったり政治家だったりタクシー運転手だったりプー太郎だったり、だ。
 繰り返すけど、麻雀士とは、麻雀の素晴らしさを他人に伝える技術を持った人のことで、そのことについて高いスキルを有しており、かつ実際にそうした活動を行いそれなりの成果を得ている人のことだからだ。ヘボでもかまわないわけだけど、強い方が良いのは当然のことで、いわゆる雀力だけが麻雀士資格に必要なものではない、ということを忘れてはならない。

 資格のあり方について考えてみよう。
 麻雀士資格は、建築士や弁護士やあるいは医師免許のような永久資格であってはならないと思う。
 一度取得すれば(特別な問題を起こさない限り)死ぬまで麻雀士である、というのでは絶対にダメだ。毎年、何らかの厳しい試験などを通過しない限り、麻雀士であり続けることはできない、という性質の一時資格であるべきだ。
 麻雀とは無関係の職業に就いている麻雀士であっても、本当に麻雀の活動を何年もやっていないのであれば、その資格ははく奪されるべきだ。
 このように、一時資格とすることで、麻雀士資格を持った麻雀士のモチベーションの維持にもつながるし、世間的に麻雀士の優位性を保つことにもなる。

 となると麻雀士資格を得るための具体的な方法はどうなのか、が問題である。
 これを考えるのは、本来はJMCの仕事なのだが、JMCなんて影も形もないので(笑)、一応、考えてみる。
 例えばポイント制にして、次の各項目についての合計ポイントによって、資格認定を行うというのはどうだ。これが全部じゃない。例であり、抜粋である。

資格認定に必要なポイントの例
分類項目例ポイント備考
筆記試験歴史/文化/社会情勢等に関する筆記試験10p必須
規則/効率/戦術戦略等に関する筆記試験10p必須
実技評価実際に対戦してその闘牌に関する評価20p合計20p取得
が必要
対局マナーに関する評価15p
他人の闘牌を検討してその検討手法等に
関する評価
5p
対戦活動JMCが認知した各種大会への参加1件で1p最大10pまで
JMCが認知した各種大会での成績優勝で3p最大15pまで
研究活動歴史・文化等に関する学術論文の発表1件で3p合計で
最大30pまで
戦術戦略に関する論文の発表1件で1p
普及活動麻雀教室の企画と運営1件で2p合計で
最大50pまで
麻雀教室の講師および助言指導8時間1p
愛好者向けの専門書籍の執筆1件で3p
愛好者向けのソフトウェア等の開発1件で3p
老人、未成年、身障者等のための教室・
大会の運営
1件で5p
実務活動麻雀荘の経営・メンバー活動15p通年が条件
麻雀を題材にした書籍等の執筆1件で3p最大15pまで
麻雀を題材にした番組、映画、ウェブ頁
及びその他の企画や運営
1件で2p最大10pまで
麻雀専門誌、新聞における連載1件で1p最大10pまで
協会活動麻雀士活動の成功事例論文の発表1件で2p2pは必須
JMCの基準策定や試験実施に関する活動32時間1p最大10pまで

 いろいろと並べたけど、これはアタキの現時点での勝手な思い込みであって、この表を完全にするのはJMCの役目である。また、一度完成したこのポイント表でも、社会情勢や麻雀文化の浸透の度合いによって変化し続けるべきである。
 取り合えずは上の合計ポイントが100ポイントを超えれば、麻雀士として誰もが認めるのではないだろうか。
 二年目以降は、筆記試験と実技評価を除く項目(**活動の各項目)で毎年60ポイント取得を繰り返すことで麻雀士資格が継続するのである。当然一度、麻雀士として認定されれば実際の活動の場が拡がり各種ポイントを取りやすくなるはずなので、麻雀士であり続けることが決して不可能なものだとは思えない。

 とまぁ、いろいろと考えたわけだけど、麻雀というゲームがゴルフや将棋とは性質がまったく違ういじょう、麻雀における制度も独自のものが必要なのは当たり前の話。
 麻雀界のシステムには、解決しなければいけない問題がわんさかとあるのだろうけど、スポンサーだとかプロの雀力だとか派閥だとかを考えるなんてできない立場のアタキには、今回の放言がせいいっぱいだ。
 麻雀士の需要はかなりあると思うぞ。