オープンリーチはローカル役の一つで、リーチの際に自分の待ち牌を他者に公開すること。
通常のリーチよりも1飜高く、自分でツモ和了りすることを前提とした待ちの場合に使用されることが多い。
認知度は充分に高い役の一つではあるが、実際にこの役が採用されるのは極めてマレだ…。
今回は、「プンリー」とか「オープン」と呼ばれることの多い、このオープンリーチについての考察。
さっきまで[雑録]に追加しようと考えていたくらいの軽めネタどえす。
【追記 2019.03.23】
各章タイトルの変更と字句の修正。文章は変わっていません。
オープンリーチには困った。
とんでもないルールだ。
しかし、このとんでもないルールだって、いつの日か広く一般に認知される日が来るかも知れん。
あ、いや、既に認知はされているか。知られてはいるけど、実際に採用しているフリー雀荘は少ない、というべきだな。
かつて深夜の大人向けテレビ番組のイレブンPMのコーナー「11マージャン」の中で司会の大橋巨泉はこう言っていた。
「ボクの目が黒い内は、裏ドラや一発なんて認めませんから」
当然、赤ドラなんて、話題にも登らない時代の話だ。
麻雀を覚えたばかりの当時のアタキは、ふ~ん、という感じ。
で、高校の友人達としか囲むことのない中で「裏ドラ」や「一発」を付けたルールでやる時には少し緊張した。
槓裏まで付けるよ、なんて言われた日には、心臓バクバクだった。
それが今やどうだ。赤ドラのない麻雀なんて麻雀じゃない、とまで言い出す始末だ(笑)。
だから、このオープンリーチだって、それが当然の、とまではいかなくとも、ちょっとしたオプションくらいの扱いになる日が来るかも知れん。
そう、本当に、そんな日が、…。
オープンリーチとはリーチの一つ
基本原則
まずはおさらい。以下の項目は共通理解が得られている内容。
- リーチ宣言時に手牌を晒し(=手牌をオープンし)、何待ちかを他の対局者に明示する行為。リーチの一種。
- 通常のリーチが一飜役であるのに対し、オープンリーチは二飜役である。
- リーチをかけていない他者からの出和了りは、役満相当となる。一般には四倍満の収入となる。
- 他のリーチ者からの出和了りは二飜役。
基本原則から見えてくること
「リーチをかけていない他者からの出和了り」とは何だろう?
元々、オープンリーチはツモでしか和了らないことを宣言するものだった。しかし、ただの一飜増しでは故意に振り込む人が出てきた(差し込みでトップ終了の場合等)。そこで、ご法度的に「振り込みは役満相当」という規則になったわけだ。
ところが、実際に起こるのである。
和了ってもいないのに、手牌のすべてがオープンリーチ者の当たり牌となった場合だ。
ポンチーを重ねて、手牌が少なった場合がほとんどだろう。アタキが大好きな裸単騎の時は要注意。
逆に、いくつもの面子を晒している奴がいる場合には、オープンリーチは有効性が高いと言える。
また、ダマ聴している場合に他者からオープンリーチがかかった場合には、追いかけリーチするのが基本的だろう(正着か否かはともかく)。
ダマのまま突っ張るわけにはいかない(役満フリコミとなる)ので、リーチしてしまい、振り込んだ際の痛手を軽くする目的。リーチをかけている際には二飜増しのフリコミにしかならないから。
最初のリーチが通常のリーチ(オープンリーチでないリーチ)である場合でも、2番目、3番目にかけられるリーチはオープンリーチであることはよく見られる。
先制リーチ者からの出和了りで一飜増しなのも魅力的だし、ただでさえ追い込まれた状況にある他の者(リーチをかけていない、まだ聴牌していないと想像される対局者)に対して強いプレッシャーをかけるわけだ。
そうしたセオリーを周知している者同士が戦っている最中で、逆に、追いかけリーチがオープンリーチでなかった場合は、かなり面白い心理戦が繰り広げられる。なぜ、オープンリーチでないのか、考えることがいっぱいだ。
フリテンじゃないとすれば、自分からの出和了りを期待しているのは明白。この場面で自分が振り込んでしまいそうな牌は何だ。
先制の親リーチに決められたら勝負が決まってしまうので、ミエミエの安い追いかけリーチに差し込め、という合図なのか。
追いかけリーチがオープンリーチならば何も考えずにひたすらオリで済むのに、そうでないためにいっぱい頭を遣う羽目になる。
オープンリーチをかけるための条件
通常のリーチにも、かけるためには一定の条件が必要なのと同じように、オープンリーチにも条件がある。
通常のリーチよりもきつい条件が課せられている事が多い。
待ち牌に関する条件
- フリテンでない場合のみかけても良い。
これは最も多く採用されている条件だろう。
フリテン時禁止という理由は、ある意味、理にかなっている。オープンリーチに「理」なんてあるか、という意見は別にして(笑)。
元々ツモ和了りしかできないフリテンリーチのくせに、勝手に一飜増しにするなよ、ってな感じ。
それなりのデメリットと引き換えの一飜増しなんだが、結果としては得である、と思われてしまうのだろう。
かけ時に関する条件
- 制限なし。通常のリーチをかけるための条件が整っていれば、いつでもかけて良い。
- 南場のみかけても良い。
- オーラスのみかけても良い。
南場のみ、オーラスのみという制限は、半荘単位の攻防戦のコクを増すための措置だ。
ツモった際に確約された一飜で逆転できることもあるし、自分だけが蚊帳の外に置かれた場合でも通常のリーチよりは少しだけ、勝負に参戦させてもらう権利を主張できそうだ。
だけど実際の所、常にトップ争いの中にいるアタキとしては(笑)、ドベ人間からのオープンリーチはかなり厄介だ。ああ、鬱陶しい。
オープンする手牌
手牌をオープンするから、オープンリーチと呼ぶのだけれど、そのオープンにもいくつかのバリエーションが存在する。
その他の懸案事項
その他にも国士無双はどうする、七対子はどうする、暗槓との関係は等、いろいろと考えると面白い。…じゃなくって、いろいろと考えると頭が痛い。
宣言の方法
オープンリーチを明示する行為
ちゃんとした作法があるのかどうかわからないが、以下の方法があると思われる。
- 「リーチ」の代わりに「オープンリーチ」もしくは「オープン」と発声し、河に捨て牌した後に、手牌を晒す。
- 通常通り、まず「リーチ」と宣言し、河に捨て牌した後に「オープン」と言い、手牌を晒す。
- 手牌を晒した後で「オープン」と宣言し、最後に河に捨て牌する。
- 「オープン」と宣言した後に手牌を晒し、最後に河に捨て牌する。
なんか、ドーデモ良くなってきた(笑)。
一番、トラブルが起きにくいのが4番目なのは保証します。
オープンリーチの動機
なぜ、オープンするのか
彼・彼女はなぜ、オープンリーチをかけるのだろう?
- 一飜多く付けたい。
- ツモ和了りしか期待できない(ドラ単騎待ち等)。もしくは、どうせ待ち牌は読まれている。
- ツモ和了りしかしたくない(自摸り四暗刻の聴牌時等)し、相手の手が進むのを止めたい。
- 絶対にツモ和了りする自信がある(多門張聴牌等)。
- 早い巡目で、何副露もしている奴がいる(アタキのことだ)ので狙い撃ち(ヤメテ~!)。
- 先制リーチ者がいる。
- 自分の手牌を見せて自慢したい。または威圧感を与えたい。
- 今日はオープンリーチの日だ(意味不明)。
オープンリーチする理由は上のいずれかの筈。完璧に網羅していると思う。
とまぁ、グダグダと書き連ねたが、本音ではアタキはそんなに好きじゃない、オープンリーチというルール。
だけどどんな規則でも麻雀の面白さを構成する要因になり得るもののはず。
世の中に、もっとたくさん、オープンリーチを採用するフリー雀荘ができますように。
…って、そうじゃないだろ!