「標準規則を考える」で言及されていない事柄
半荘終了時の供託された立直棒の扱い
「オーラスの特例はない」という前提なので、オーラスの荘家がリーチ流局した際には、立直棒が場に供託されたままの状態で半荘が終了することもある。
清算時に、4人全員のプラマイが合わないと気持ち悪いので、競技麻雀でもない限り、誰かの得点にするのが普通だろう。
リーチ者に戻す、という選択もあるけど、ここは、それ以外の持ち点が最も多い打ち手の取り、とする。
持ち点最多者が複数いる場合には、トップ取りの条件に見合う者
(起家に近い者優先か、複数トップ者を認めるかはオプション/次項参照)での取り、とし、複数分割もあるよ、ということでどうだろう。
割り切れない場合をどうするか、についてはオプションとしよう。
同点トップ者がいた場合の扱い
巷では、以下の3つのいずれかが採択されている。
・トップ賞にあたるオカを同点トップ者全員で分割する(端数の調整については不明)。
・起家に近い方(というのは第一局の東家に近い方)をトップとする。
・西場に突入し、点差が付くまで、サドンデス(笑)。
中にはジャンケンで、というのもあってもイイと思うのだが、アタキ自身、聞いたことがない。
三番目のルールに遭遇した時には、トップに届かない打ち手は、この状況を作るべく、ラス前から点数計算しながらの手作りとなってなかなか面白かった。
あ、いや、脱線失礼。
トップ賞オカを分割するか、起家優先のどちらかのオプションとしよう。
でも、最近では、圧倒的に起家優先がトレンドではある。
チイ/ポン(カン)/ロンの優先度
いろいろとあるのは誰でも知っていることなので、これはオプション。
個人的には「チイとポンは発声優先、ロンは明らかな遅延でない限り常に優先」くらいが妥当だと思うのだが、押し付けできる意見ではないな。
チョンボ全般
チョンボの種類、チョンボ後のゲーム進行、チョンボの罰符のいずれについても、オプション。
って言うか、そこここで自由に決めても問題ないだろうと思うのだが、いかがでしょう。
チョンボについての意見を聞かせてくれとのメールがあった。
あくまで私見として、押し付けるものではないという前提で、「チョンボは厳しく取り締まるのが好きだ」と回答した。
誤チイ、誤ポン、スカートめくり、すべて満貫罰符とし、ゲーム進行が不可能な行為(誤ロンや山崩し)については
テンパイ者がいればその最高得点分の罰符(もしくは満貫の高い方)を適用というものだ。
しかしながら、アタキ自身、チョンボはそんなに悪いものじゃないと考えている。
だから、標準規則としては「チョンボには限りなく優しい対応を/罰符でなく注意を(笑)」とも付け加えた。
このアンビバレント状況の説明は、別の放言でできるといいなぁ思う(どうせ、無理だろうとも思う)。
立直に関する質問と意見
立直はいつでもかけられる、は変だ
[意見]・「一般的には自分のツモ番がある間(海底の4牌前まで)しかリーチできない」
何が一般的かは判断できないけれど、この「いつまでならリーチがかけられる、かけられない」というのがとても面倒。
他者の副露行為によってツモ番が変わること(無くなることも増えることもある)は常なので、自分のツモ番があるかどうかなんて
判断の材料にするのはどうかなと思う次第。
現実に、いつでもリーチ可能な規則のフリー店は数多くあるです。
[意見]・「海底牌でリーチする人はいない」
リーチする人がいようといまいと、規則として特に制限はしないよ、というスタンス。
だけど、チイやポンができないのと同じように海底だけはリーチできない、という規則でもおかしくはないな。困った(笑)。
規則として「海底以外はいつでもリーチをかけられる」としよう。
どうせ、誰もしないんだから、運用上は問題ないな。いいよね、これで。
故意のノー聴リーチを認めるのはなぜか、認めるべきでない
[意見]・(ノー聴リーチを認めると)麻雀における「守る楽しみ」を阻害する
質問者は、さらに「さんざん考えた後で、リーチ者がノー聴だったときの脱力感は大きい」とも。
いや、まったく、その通り。
以下、本音の前に反論。
リーチされていようといまいと「守る楽しみ」は充分に味わえる。それとも質問者は、リーチされた場合にだけ守るのだろうか?
リーチされていない場合には、「さんざん考え」ないのだろうか?
そもそも、これはノー聴リーチだけじゃなく、フリテンリーチやリーチ後の見逃し行為にも同様の感想であるように思う。
フリテンリーチやリーチ後の見逃し行為が許されているのは、規則上の利便性や簡易性からでなく、
麻雀の本質的な楽しみ(苦しみや悲しみも含む/完先ルールでは味わうことのできない多大な面白さ)と密接な関係があるからだ
と信じているアタキには、質問者の考えはあまりピンとこない。
…。
てな話は、ただの反論です。
で、アタキの考えなのだけれど、そもそも「ノー聴リーチ」が実際に起こるのはどういう状況だろうということを考えた。
アタキ自身は、よくやるのである。
勿論、うっかりとテンパイした気分で、ノー聴のくせに「リーチ」と言ってしまう。
自分がよくやるミスだから、許してくれる規則にしようよ、なんてことじゃない(…たぶん)。
で、アタキ自身は故意でやっているわけではないけれども、この行為が故意なのか故意でないかは、誰にも判定できないわけで、
判定できない以上、「故意」であることを特別扱いするのは無理がある。
て言うか、ノー聴リーチが「故意」かどうかを云々することは、誤ポンや、点数申告ミスが故意かどうかなんてことと同様に
あまり意味がなく、誤ポンは誤ポンの扱いをすべきだし、点数申告ミスは誰かが修正してやれば済む問題だろうとも思う。
で、世の中には(残念なことに)ノー聴リーチというものが存在し(この事実を受け入れられない方は、アタキと囲めば
すぐに目にすることができる筈)、それへの対処を一応、決めようと思った「標準規則」において、
どうした扱いが順当だろうということで、アタキが出した結論が「普通のノー聴と同じでいいんでないかい」という感じだった。
ノー聴には、一応「ノーテン罰符」があるわけだし、罪の償いはこれで済ませちゃえ、簡単でイイや。
いや、何とも安易な結論を当時はしたものだ。
それともうひとつ、元の規則の構文を見れば明らかなように、アタキ的には「ノー聴」と「空聴」とを
同列に処理しておきたかった、という気持ちもあった。
[意見]・「このリーチはノー聴リーチか否か?」という判断が求められるが、無意味な負担だ
この意見には、前項と同様の反論が可能だ。
このリーチはフリテンリーチか否か、今ロン牌が出たのに見逃したのではないか、フリテンじゃないだろうけどツモにかけるつもりなのか、
といった判断は、麻雀の本質的な面白みを増すものだとアタキは信じている。
この部分に限って言えば、フリテンであることとノー聴であることに差異はない。
[意見]・リーチはテンパイしていないければ宣言できない、とするのが単純で良い
まったく同感。
はい、考えを改めました。
リーチはテンパイした場合にのみ宣言できるものとします。
テンパイでないのに、リーチした場合の扱いをどうするかは、チョンボとの兼ね合いもあり、ここでチョンボについて言及するのは、
ノー聴リーチについてとはチト違う話になるので、やめておこう。
ノー聴リーチはできない。できないものはできない…標準規則を考えているんだから。
副露と槓に関する質問と意見
「槓は一局につき、四つまでしかできない」が意味不明
[意見]・既に4つ、槓がされている状態で、槓材をツモってきたらどうするのか
そのまま捨てるか、別の牌を捨てるか、です。
できないものはできないです。
流局に関する質問と意見
点数計算に関する質問と意見
切り上げ満貫に統一すべきではないか
[意見]・イマドキ、「2000/3900」や「3900トーシ」なんてありません
そう思われるのなら、「2000/4000」「4000トーシ」としてください。
あなたがそうすることをアタキは止めませんし、アタキ自身もたぶん、そうした規則で遊ぶことがほとんどだし、
自分で好き勝手に決めて良いと言われた場合でもそうすることの方が多いと思うです。
だけど、「2000/3900」のオプションを残しておくことは、荘家の「3900」や「7700」を生き残させることにもつながるような
気もするです。
そんなの絶滅させてしまえ、という声も聞こえてきそうだが(笑)。
嶺上開花のツモ符が付かないのはおかしい
[意見]・大明槓後の嶺上開花に2符を付けないのは何故か?
ごめんなさい。
これは、アタキのミス、ってか、大チョンボです。
だって、この規則では「あらゆる包則は適用しない」前提なんだから、大明槓だからって、ツモ行為の一部なわけで、
「嶺上開花」という役と引き換えにツモ符を付けない、という理論は成立しようがありません。
つまり、「ツモ符が付かない」というのは「ツモ行為とは認めない」からこその結果であって、
大明槓の場合(ツモでなく)大明槓させた捨て牌者のフリコミである、という場合にのみ、適用可能な論理だと言えます。
[意見]・カンの種類によってツモ符を付ける付けないを区別する必要性がない
大明槓をツモ行為と捉えることにより、すっきりした規則となります。
すべてのツモ行為にツモ符が付くのは(天和、地和でも無い限り)当然のことです。
和了役に関する質問と意見
役の飜数が適当でない
[意見]・混老頭が2飜は安い/3飜か4飜にすべき
七対子か対対和と併せてしか成立しない混老頭という役については、いろんな意見があると思う。
この意見者の真意は「役としての混老頭は廃止して、混老七対子/混老対対和という独立した役を採用しては」
という提案だった。
大賛成。
だけど、標準規則としてはどうだろう。
これを言い出すと、
「ツモり四暗刻が役満は高すぎる」だとか、
「四槓子が4倍満は安すぎる」だとかの意見も出てきそうだ。
[意見]・「七対子は2飜 25 符」の意味が不明
意見というよりも質問。
運用上は、「1飜 50 符」と同じなのだが、2飜としておくことで満貫以上の計算に
そのまま使えるので、そう表記しただけだ。
人和について
[意見]・人和と他の役との複合はどう考えるか
例えば、配牌時に清一色をテンパイしており、ロン牌が第一ツモ以前に出た場合の話だ。
対処は、次のいずれかが考えられる。
・通常の役と同様に、人和の4飜に、他の役の飜数を付加して計算する。
・4飜よりも高い役の場合にはそれとして計算し、そうでない場合には4飜とする。
標準規則をまとめている際には、第一のパターンを念頭としていたので、特別な
説明は書き加えなかった。
これで、問題なし、と思う。
ところが実際の経験からすると、2番目のパターン、もしくは役満扱いというのが多かったのも事実。
ちゃんと表にまとめて、[雑録]にアップすべきだな…。
ということで、まとめました。「標準規則の原案」です。