麻雀打ちの頁/雀のお宿

一発消ししないことこそマナー違反でありイカサマ行為だ。「一発は消すべし」「カンはすべし」これが理解できない大バカ者は(最近、減ったが)まだまだ世の中にたくさんいる。

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見送るバカ

自分で考えて行動しよう

 何故、こんな間違ったことが常識とされているのか。
 はっきりと常識とまでは言わないけれども、それがさも当然であるかのようなことだと勘違いしている打ち手は巷に山のように溢れており、いや、こんなこと言ってるアタキだって、麻雀についてどんなことでも正しく理解しているかと言うと、そんな筈もないのだけれど、少なくともアタキが麻雀を覚えたての頃に、当然の真理、自明の理論、正しい考えだと思っていたことと正反対のことが、広く一般的な事柄だと多くの打ち手に認識されているというのは、どうにも納得がいかない。
 納得のいくいかないという言い方をすると、主観的な問題のように思われるが、その主観がある一定の雀力(この言葉の定義はしないし、質問されても答えられないけど、まぁ、普通に思われている麻雀の強さのこと)を持っていそうだと、アタキが勝手に考えている多くの打ち手の共通的な考えであれば、それは主観を超えているのではないか。少なくとも、何年もの経験を積み、その周辺ではそこそこに強いと思われている多くの打ち手に共通の考えであるにも関わらず、その考えとは正反対のことが常識としてまかり通っていることをアタキは強く憂う。
 なーに、この悲しい事態を放っておくのも一つの手だし、実際に多くの強者は結果としてそうしているわけで、アタキのようにこんなことをウダウダと語るのも、実はとてもカッコ悪いことなのだが、このカッコ悪さを認めつつもついつい言い過ぎてしまう、この熱い思いは、もしかすると少しだけカッコイイことかも知れないと思いつつ、この放言をアップすることにしよう。

 だけど、少しだけカッコイイかなと考えていることそのものが、充分にカッコ悪い、というジレンマに気付いているアタキでもあるので、だから何だ、まぁ、他人の目を気にし過ぎるのも、うざい説明を長々と続けるのも、そしてそれを客観的に論じて自分の公平的スタンスをアッピールするのも、とてつもなくカッコ悪いことのようにも思えてきた。困った。

 もう少し、前振りを続けよう。
 ここ数年の麻雀に関するあらゆる考察のレベルが高まっていることはとても素敵なことだ。
 本来なら、麻雀を専門の職業とする人々(麻雀以外の世界では「プロ」と呼ばれる人々)の成すべき仕事を、麻雀を専門の職業としない人々の労力によって達成されつつある成果の多くがウェブ上に展開されているわけで、当然のように中には、麻雀を専門の職業とはしないけれども「プロ」と呼ばれている人々の一部にもそうした成果を着実に上げている事実もあって、それはとても喜ばしい。
 アタキは麻雀を専門の職業とはしていないし、「プロ」と呼ばれることも「先生」と呼ばれることもないのだが(たまに「大先生」と呼べ、と周囲の人間に強要することはある)、麻雀を専門の職業とはしていないにも関わらず「プロ」と呼ばれている人々にも、その人々の活動にも(期待から来る不満はあるものの)大いに好意を寄せているのだが、誰が考えても当たり前とは違う事実が、初心者を中心とする愛好者の多くに広まっている事実に対して、何の修正作業を行わない行ってこなかったのは、これは先達の怠慢であったように思う。
「プロ」なんて呼ばれても、麻雀を専門の職業とはしていないのだからそこまでの責任は無い、というような言い訳は通用しない。何故なら、麻雀を専門の職業とはしていないにも関わらず「プロ」と呼ばれている多くの方々も、その肩書きを認めている団体も、いずれは、麻雀を専門の職業としている「プロ」を成立させることを目標として様々な活動を行ってきたわけで(実際にそうしたか否かはともかく、建前上はそれを掲げている筈)、そうした目標を実現するための方策の一つとして、理論構築や戦術の流布は(決定的ではないかもしれないけれども)重要な手段の一つであることは他者の弁を待つまでもない。無知な初心者を正しい方向へ導くことも、麻雀を専門の職業とはしていないかもしれないけれども「プロ」と呼ばれている人々がやるべきことの一つだと思う。
 いや、何が言いたいのかと言うと、何故、アタキがこれから述べるような(アタキにとっての)常識を、わざわざここにアップしなければならないのかという、この手間が何となく鬱陶しいという思いがあり(勿論、本当に鬱陶しいだけならアップしたりはするわけない。初心者の皆さん、こんなことも判らんのですか、と偉そうにしたいという気持ちがあるのは当然だ)、これはどのような戦術書にも、初心者をターゲットとした教則本にも載っていない事柄のせいだ。
 活字雑誌でなく漫画雑誌であっても、誰かがこのことに言及していてくれたら、とも思う。

 で、本題である。
「一発は消すべし」
 これだけである。
「他者のリーチに対して、一発を消すためだけのポンチイはやってはいけない」というのは間違っている。
 もしもあなたが、(卓に付いてはいるものの)勝負に参戦していないのであれば、よけいに「他者の一発は消さなければいけない」のだ。
 もしも、全然、勝負手になっていないにも関わらず、他者のリーチの一順目に一発を消す材料があるにも関わらず、それをしない、というような行為は、そのリーチ者と共謀しているとしか考えられない。ある意味「消極的なイカサマ行為」として断じられるべきだ。
 一発消しできる状況なのかそうでないのかは、他の三人にはなかなかうかがい知ることはできない。だからこそ、非常に、汚い行為であると言える。一発消ししないことは、非常に恥ずべき行為なのだ。

 雀聖の言葉を待つまでもなく、麻雀とは複雑なゲームであり、「1対3」でも「2対2」でもなく、「1対1対1対1」のゲームなのだ。
 麻雀の最終目的が「自分がトップを獲得する」ことであるのならば、すべての行為は「他者のトップを遮る」「自分がトップを取る可能性を多くする」ことにのみ費やされなければならない。
「リーチ一発」というオプション役は、(祝儀の有無に関わらず)たった今リーチ宣言した者だけを優位に導く可能性を持っているので、奴がトップを取る可能性を少しでも低くするためには、迷わず一発消しすべきなのである。
 例えば、自分がチイしたりポンしたりした結果、リーチ者が高目をツモ和了ったとしても、それは結果論。チイやポンが無くともツモ和了ったかもしれないし、その際には、さらに一発という役まで付加されることになるわけだから、一発消ししたことによる責任なんて云々するのがおかしい。
「鳴かなければツモ和了ることはなかった」
 そんなこと、前もって判るわけがない。もし判る奴がいたら、そいつは詐欺師かイカサマ師か嘘つきか、オカルト宗教の教祖である。たぶん、そいつは(アタキ達、一般の麻雀愛好家ほどは)麻雀を楽しんではいない。
 つまり、一発消しはセオリーに則った、積極的な戦術であるわけだ。

 一発消しが失礼な行為である、と過った常識を持った打ち手が数多くいるが、アタキに言わせれば、勝負に参戦もしていないのに、他者の一発の可能性を野放しにしている打ち手の方こそ、何倍も失礼だと思える。
 てめー、ちゃんと仕事しろよ、って言いたい。

 そうそう、この「仕事」って言葉の使い方は、根本的に正しい。

 一発消しがいつも有効な戦術かと言うとそういうわけでもないので、一つだけ反例を挙げておこう。
 親のトップ者との差が2000点の二着に付けている時、ダンラス者のリーチ一発を消す、なんてバカなことはない。
 跳ね満でも倍満でもツモ和了っていただいて、ちゃっかりトップを狙うのは、まぁ、誰でも意識してる筈。麻雀は、そういつも、トップを狙う競技なんである。

 で、もうひとつ。
「カンはよくない、ことじゃない」
 もっと言えば、カンはすべきだ、ってーことだ。
 もしあなたが、トップでもないのに、カンすべき材料があるにも関わらず、カンドラが増えることだけをデメリットと感じてカンを見送るとしたら、その行為は、トップ者と裏で通じているイカサマ行為である。
 現在トップ者の優位を揺るがすためには、少しでも場を高くして(カンすることで、全員の平均得点は一飜以上増える)自分が和了ることは最善の選択であろう。
 例え自分の手が和了に遠い手であっても、場を高くすることが直接自分の不利益に繋がる可能性よりも、トップ者の立場を危うくする可能性の方が高いのではないか。
 あ、いや、そうとも言えないような気もしてきたが、まぁ何だ、荒れ場を故意に作ることで自分を有利にできるような状況も大いにある筈だ、と言いたいわけだ。

 一般には、「三元牌の在り処が判っていないのにリーチする」ことや「一色手をアシストするぬるい打牌」を非難することはよくあるのに、「一発消ししない」ことや「カンできるのにしない」ことが批判を受けることは少ない。
 副露行為そのものが何となく(意味もなく)嫌われているとしか思えないが、「見送る」なんてーのは、結局は何の工夫もせずに、あらかじめ決められたそこにある牌を順番通りに持ってくるだけの、非常に消極的な(考えなし)の行為である。
 アタキはジャンケンやあみだくじをやっているのではない。
 いつもどの牌を切るのがベストなのか考えて麻雀をしていたいし、鳴くべきか鳴かざるべきか悩みながら何らかの選択をしたい。リーチするしないもそうだし、聴牌宣言するかしないかもそうだ。
 麻雀の楽しみは、いくつかの選択肢の中から(自分の考えの範疇で)どれか一つを選び続ける、その継続の中にこそあると思える。
 ただ漫然と他人のリーチを放ったらかしにするような、そんな麻雀だけは絶対にしたくない。